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2010年12月10日 (金)

国際テロ情報の漏洩、情報管理の徹底と再発防止策を急げ

国際テロなどに関する極秘情報がウィニーなどを通じてネット上に流出したのは1028日のことでした。それから1ヶ月以上過ぎた123日、警視庁はようやく捜査に着手したと発表しました。

流出した情報の中には、国際テロ対策を担当する捜査員やイスラム教徒の個人情報なども含まれています。実名や住所などが載せられた民間人の中には、周囲からさまざまな誤解を受けたり、商売にも影響が出ている人も少なくないと聞きます。

流出したファイルをネットから入手した人は、これまでで20以上の地域・国に及び、推計で1万人以上だといわれています。

しかし、警視庁は流出した文書が同庁の内部文書であるかどうかについて、いまだに捜査中と繰り返すだけで認めていません。このことが捜査開始の大きな障害になって、事件から1ヶ月以上経過した12月まで有効な手だてを打てない状態が続いたのです。

情報が警視庁のものであり、盗まれたものと認めなければ情報漏洩などの罪で捜査することはできません。警視庁は情報漏洩に関する罪で捜査することはできず、そのため、「偽計業務妨害」というなんとも遠回りな罪状を持ち出してきました。

「テロ情報が流出したことで、横浜で11月に開催されたAPEC(アジア太平洋協力会議)で警備を担当するはずだった者が、こちらの事件の捜査に当らなければならなくなってしまい、結果として本来の業務が妨害された」という理屈のようです。

「偽計業務妨害」というのは、人を騙したり虚偽の風説を流したりして業務を妨害する罪です。この罪では国の機密を盗んだという内容はまったく含まれていません。いかに無理やりな容疑であるかが分かるでしょう。「情報が盗まれた」と認めればすむ話なのですが、なんと遠回りな話でしょう。

そのようにまどろっこしい理屈を考えている間に、流出した情報は本になって出版されてしまいました。出版はすぐに差し止め請求が出されましたが、その請求も流出した情報の中に実名で記載されていたイスラム教徒たちからのものでした。政府は情報が盗まれたものであると認めることができないので、訴えることさえできないという皮肉なことになってしまったのです

ことここに至っては、流出した文書を躍起になって否定してもあまり意味のないことです。情報の中には外国の捜査機関からもたらされたものも入っており、このままでは日本に情報を渡すことはできないとされてしまう恐れもあります。国際テロに関する重要な情報が日本にだけはもたらされないといったような最悪の事態もあり得るのです。

文書が盗まれたことを認めて、正式な捜査で漏洩ルートを解明し、再発防止策をきちんと立てることこそが重要なのではないでしょうか。

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